みなさん こんにちは。今日は2月19日 日曜日 天候は昨日に続き雨です。私たちのぶどう園は、粗皮削りの進捗率がようやく90%までのところにきました。もうひと頑張りです。
さて 今回はわたしたちのぶどう園で最も多く栽培しているぶどうの品種“シャインマスカット”について深掘りしてみたいと思います。
みなさんもよくご存知のシャインマスカットは、わたしたちのぶどう園がある“広島県”がふるさとなんです!?
シャインマスカットの誕生
まずシャインマスカットが生まれた背景には次のことが挙げられます。
昔ぶどうの王様は“マスカット”(マスカット・オブ・アレキサンドリア)でした。
マスカットは食味・食感が大変優れていました。しかし、短所として日本の気候に栽培環境が適していませんでした。
雨の多い日本では実が割れたり、病気になったりしやすく温室等の施設が必要でした。
そこで『日本におけるぶどう生産を維持拡大するために栽培容易で消費者の嗜好に合う優良品種の育成が不可欠である。』との考えから、欧州ぶどうと米国ぶどうの長所を品種目標として研究が進められました。
具体的な品種目標は①食味が良いと芳香を併せ持つ。②大粒である。③耐病性で栽培が容易。④保存性等です。
この目標に基づき以下の研究開発が約15年間に亘って行われました。
1988年に広島県東広島市安芸津町にある農研機構果樹試験場(旧農林水産省果樹試験場)においてシャインマスカットは産声を上げました。
1988年に“安芸津21号”と“白南”という品種を交配しました。
翌年1989年に播種・育苗、接木をし、試験場の圃場に定植し品種特性の評価がされました。
その後1997年に一次選抜がされ、1999年から28都道府県30ヶ所の国公立試験研究機関において品種特性が検証されました。
その結果、2003年に“新品種として適当である”と結論が下され、命名登録出願・品種登録出願が行われました。
栽培品種は“シャインマスカット” 命名登録番号は“ぶどう農林21号” 登録番号は第13891号として品種登録されました。
シャインマスカットの特徴
シャインマスカットの果皮は陶器のような緑色で成熟期に黄緑色になります。
粒は短楕円形で大きさは13g前後です。一房重は平均500g程度です。
香りは華やかなマスカット香があり、糖度は20度と高く酸含量は0.3/100ml程度と酸味は低いため食した時に非常に甘く感じます。
そして一番の魅力はなんと言っても種なしで皮ごと食べられることです。
日持ちも良好で外観がよく高級感があり、日本のぶどう栽培史に革命を起こした品種です。
シャインマスカットの海外への流失
シャインマスカットの品種登録は日本国内で上記のようにされましたが、残念ながら海外ではされませんでした。
その結果、海外 特に韓国・中国で大々的に栽培されるようになりました。
その栽培面識は韓国は4000ha、中国は1500万haと驚く数字です(祖国日本は1800ha弱です。)。
さらにその苗木等は中国を通じてアジア諸国へも流失しています。
韓国のぶどうの輸出額は727万ドル(2021年)でその9割がシャインマスカットです。
中国は中国国内だけでなくChina Shine Muscat(チャイナ シャイン マスカット)としてアジアをはじめアメリカ等の市場で販売されています。
韓国・中国の流通量が圧倒的に多いためシャインマスカットは韓国・中国が本家本元で日本は後発のように思われています。
大変残念ですが、これがシャインマスカットの現状です。頑張れニッポン!!
以上今回はシャインマスカットについて綴ってみました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
引続き適時にシャインマスカット等ぶどうについて私たちの思いを発信していきます。それではまた。